T君は、スイミングを習っている小学校1年生。これまでは特に上のクラスに進めるとか、クロールできるようになるなど、目標を決めることもなく、ただ通っている状態になっていました。
けいこ先生習い事に子どもはなんとなく通い続けているがどうするのが正解なのか?という相談をお母さまからよく受けます。
塾や習い事は、子どもがなにかできなかったことを努力してできるようにして自信を持てるようにしたりなど、やりようによってうまく活用することができます。なんとなく通っているのは非常にもったいないです。
そこで、あまり塾や習い事に行きたくないと意欲的でなかったり、勉強しないお子さんをお持ちで相談を受けた際には、お母さまに、その習い事でどのような成果がでているのか?を確認するようにお伝えします。
T君はこのスイミングスクールで1年以上進級することなく通っていたことが判明しました。
このスイミングは、試験を受けて上のクラスに進級していくシステム。
T君は特に上のクラスに上がりたいなどと考えてはいませんでした。
それでT君がスイミングを続けるか辞めるかどうか迷っていたときに、お母さまがけいこ先生に相談します。
そこでけいこ先生からのアドバイスを聞いた後、お母さまはT君にスイミングでの目標を聞きました。そうしたところ、辞めるのであれば試験を受けて合格してから辞めるとT君は自分で決めました。



お母さまがT君とうまくコミュニケーションを取ったところ本人が自分で目標を立てることができたようです。
このように習い事を続ける、辞めるに関係なく子ども本人が目標を決めて成果を出すことは本人にとって良いことです。
では、合格するために何が必要なのか?
お母さまがT君に聞いてみたところ、わかっているようでどうもわかっていないことが判明します。
それでお母さまはT君と一緒にスイミングのコーチに試験に合格するために何が必要なのか質問することにしました。



お母さまにはコーチにわからないことを質問してみる経験にしましょうと伝えました。
コーチは進級したいというT君の気持ちをしっかりと理解してくれました。
それで、T君とスイミングスクール、家庭の協力が必要だということ、合格のために必要なことをコーチは丁寧に説明してくれました。
コーチから協力して取り組みましょうと言ってもらえたことから、お母さまは応援してもらえていると感じられました。
ここからT君とお母さま、お父さま、兄弟まで巻き込んだ進級プロジェクトのスタートです。



ここでは、改善する必要のあるポイントをどのように克服するかが課題です。
試験に合格して進級することが目的ですが、今後も同じような場面に子どもが出くわした場合の対処方法を伝えることを裏テーマにしました。
お兄ちゃんもT君にアドバイスするなど家族総出でプロジェクトに取組むことになりました。陸の上での練習に加えて、公共のプールにも親子で練習に行ったりしました。



頑張る姿をお母さまだけではなく兄弟とお父さまにも認識してもらうことも意図して、家族全員を巻き込んだプロジェクトにしました。
お母さまには、動画を活用することで陸の上でのT君の泳ぎの修正の作戦を立てるようにしました。
習ったことを人に教えたり説明することで、より効果的な学びにつながります。
T君が自分がどのように身体を動かすのかを説明する場面を作るために、お父さまには声かけで協力してもらいました。
お母さまは何度も「やってみよう」とT君に声かけして、子ども自身も「あきらめない」と言いながら取り組みます。



T君の強みは、自分で決めたことをやり遂げる強い意志があることです
しかし、人からのアドバイスを受け入れることがとても苦手でもありました。
ただ人から言われたことでも、自分で気が付いて納得できれば、受け入れてアドバイスを踏まえて実践することができます。
お母さまが何度も何度も声かけをしていたのは、これは何かを身につけるためには「量」が必要だからです。
「量」を増やす中で自然と工夫したりできるようになっていきました。
今までなんとなくスイミングに通っていたのが、目標を決めて家族の協力を得ながら取り組むことで、嘘のように意欲的に頑張るようになっていきました。



なんとなく続けることが一概に悪いことではありません
しかし、そのお子さんの傾向によって目標を決める、成果を出してみることがとても有効な場合があります。
そして次のスイミングの授業の後には、コーチからフィードバックをもらうことができました。
これまでスイミング以外でもなにかと怒られる経験が多かったT君、今回もコーチからできていないと怒られると思っていました。
ところが予想とは違い、コーチはT君が何ができていて、何ができていないのかを説明して、できていないことについては怒るのではなくアドバイスをしてくれます。
T君は人の話を聞いて自分の考えを変えることが苦手でしたが、この件ではアドバイスを受け取ることがきたようです。



ここで怒られなかったことがT君にとってかなり重要なことでした。
コーチはT君ができたことは褒めて、できていないことは指摘し改善に必要な具体的な方法を伝えてくださいました。
この時のコーチの対応には感謝しかありません。
その後、結果的にT君は本人の意思でスイミングスクールを継続することにしました。
自分の努力を成果に繋げることができたことで通う決断が出来たようです。
そして進級のタイミングは思ったよりも早く訪れました。
T君は授業の中で、自らコーチに質問しその場でフィードバックをもらっていたそうです。
このような過程を経て、無事に合格を勝ち取ることができT君はとても喜んでいました。



今回のT君の経験は、自分の力で合格したことで、自信と意欲を持つことへ繋がりました。
課題をなんとなく乗り越えるのではなく、子どもが認識して努力して乗り越える経験を声かけなどで作ることができます。それができたら子どもは大きく成長できるのです。




